毒を持った外道として知られるキタマクラ。その生態の多くは未だに解明されていません。しかしながら、テトロドトキシンと呼ばれる強力な毒性を体内に秘めていることは判明しており、このキタマクラの犠牲者もいらっしゃいます。
今回、注目するのは、毒魚として知られるキタマクラの見分け方、そして、キタマクラと間違えやすい魚の数々。もしも、釣りをしていて、キタマクラらしき魚を釣り上げてしまった際にはこの記事にある画像と比較して見分けてみてはいかがでしょうか。
もくじ
キタマクラとは
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キタマクラは「フグ目」「フグ科」「キタマクラ属」に属するフグのお仲間。 キタマクラはフグのお仲間だけにテトロドトキシンと呼ばれる猛毒を体内に有しています。体色は薄い茶色から濃い茶色、また、青色と幅広いだけに注意が必要です。
青い個体と茶色い個体(オスとメスの違い)
キタマクラは黒っぽい個体、茶色い個体、また、青みがかった個体が存在します。青い個体は繁殖時期のオスに見られ、オスはメスにアピールするため(求愛行動)に腹部が目立つ色に変化します。逆に、メスの腹部は白く、オスのような婚姻色は見られません。
キタマクラの見分け方
一見、カワハギやフグに似たキタマクラですが、よく見ると異なる点がいくつもあります。キタマクラと他の魚を見分けるために異なる点に注目します。もしも、キタマクラかな?と思ったら、この記事の内容を思い出して頂ければと思います。
縦帯が二線
キタマクラには胸のヒレ手前から尻尾にかけて縦帯が二線あります。よく見ると縦帯は胸鰭手前で半円を描き、繋がっています。薄い個体、濃い個体と様々なので良く観察して見ることが重要です。特に、繁殖期のキタマクラのオスは体色が暗いことが多いので縦帯も見えにくくなります。この二本の線がキタマクラの大きな特徴の一つと言えるでしょう。
扇形の尾ひれ
キタマクラの尾ひれは扇形。また、オスの場合は毒々しい青い婚姻色が現れます。ただ、メスのキタマクラには青々しさが足りません。見分ける要素としては弱いです。キタマクラの尾ひれはベラの尾ひれに似ています。また、キタマクラの釣果のある地域ではベラの釣果も珍しくないため、よく観察し、他部位と照合し、見極める必要があるでしょう。
ネバネバ、ヌメヌメする
キタマクラはストレス、恐怖を感じると身を保護するために粘液を出します。この粘液は有毒で、キタマクラはネバネバ、ヌメヌメすると言われているのは粘液毒を体表に出しているから。このネバネバは意外と早く出します。表面が粘液で覆われた個体はキタマクラの可能性があります。表面がツルツルする、光沢がある場合は注意してください。
メスの腹部は白色、餅っ腹
キタマクラの大きな特徴としては餅のようにお腹が垂れ下がっています。いわゆる、餅っ腹のような状態でメスの場合は腹部が白い事が多いです。産卵期手前のオスも腹部が白い事もありますが個体によりけり。腹部が青みがかっていればオス。白い、また薄い灰色であればメスというふうに見分けることができます。
オスは青い個体が多い
キタマクラが接岸する時期は産卵の時期と重なります。つまり、オスはメスに告白するため、キタマクラのオスの腹部は婚姻色となる青色になります。よく堤防、防波堤、波止でのキタマクラの釣果を見ますが、ほとんどのオスが青みがかった色をしています。
キタマクラに似た魚達
キタマクラとよく間違えられると言われるカワハギ。第一、カワハギには立派な角(トゲ)が付いているので間違いようがないじゃないか。と思われる方もいると思います。それでも、見分けやすい個体とハッキリとしない個体がいる限り、キタマクラとカワハギを間違えてしまう場合もあります。特に、カワハギ釣りの外道として頻繁に釣れるのはキタマクラです。注意に越したことはありません。これから注目するのはそんな魚達の存在。釣りで親しみのある魚達を、キタマクラとの見間違われることの多いメジャーなカワハギ、他の魚の画像を参考にして注目していきましょう。
カワハギ
キタマクラと違われる事の多い(といわれる…)カワハギ。カワハギ釣りの外道としてキタマクラは頻繁に訪れます。それぞれの見分け方は、まず、キタマクラには頭部にトゲはありません。また、カワハギの表面はザラザラしており、粘着毒を出しません。更に、不規則な模様が並ぶだけで、キタマクラのような規則的な縦帯はありません。キタマクラは丸っぽい体系をしており、カワハギは平べったい体系をしています。(抱卵個体を除く)
クサフグ
釣りの外道の第一候補として名高いクサフグ。お腹が白く、尾ひれは団扇のような扇型で、目は大きくクリクリとしています。キタマクラはフグのお仲間だけによく似ています。クサフグもキタマクラと同じく、テトロドトキシンと呼ばれる猛毒を体内に秘めています。食べてはいけません。また、お持ち帰りせずにその場に放してあげましょう。
ホシササノハベラ
個人的に注意すべきだと思うのはササノハベラの存在。所々に青みがかった体色、尾ひれは扇型をしています。高年齢の太ったオスのササノハベラだと縦にボテッとしており、体色も濃い色となっています。また、ベラも粘液を出すのでキタマクラと似た性質を持っています。しかし、ウロコを見ると一目瞭然。キタマクラはウロコと呼べるほどのハッキリとしたウロコが無く、逆にササノハベラベラは硬く硬質なウロコを持っています。
キタマクラに触れてしまった場合
キタマクラに触ってしまった場合は海水でよく洗い流します。キタマクラの粘液毒が手に付いたまま、顔を触ってはいけません。目に触れてしまった場合は、流水(真水)でよく洗い流し、速やかに医療機関で見てもらうことをおすすめします。キタマクラの粘液に触れてしまっただけであれば、海水でよく洗い流すだけで大丈夫です。
直接、手で触れないために…
キタマクラを見分けよう!
キタマクラは釣りの外道として有名です。防波堤、堤防、波止等の陸っぱりから釣りをしていると外道として釣れることがあります。もしも、キタマクラらしい魚が釣れた際にはこの記事の内容を思い出してください。キタマクラは猛毒を持った魚です。アナタの命は一回っきり。遊び半分で口にしないように注意してください。