釣りの対象魚としてお馴染みのカワハギ。カワハギ釣りはサビキ釣りの対象魚。既に、カワハギと出会ったことがある方もいることでしょう。実は、釣り魚としてメジャーなカワハギは取り扱いを間違えるとケガを負ってしまうキケンな魚でもあることをご存知でしょうか。
しかし、正しい知恵と知識があればキケンな魚から大好きな魚に。カワハギ釣りを楽しまれる方は一読し、カワハギのキケンな部位、ケガの症例、対処法を予め、知っておいてはいかがでしょうか。きっと、役に立ちますよ。
もくじ
カワハギの通称、呼ばれ方
カワハギの通称は「ハギ」「ハゲ」「マルハゲ」と呼ばれています。釣り人からは、別名では、エサ取り名人とも呼ばれています。これは、おちょぼ口を使って巧みに釣り餌だけを摂取することから名付けられました。
カワハギのキケンな部位
カワハギのキケンなところ。一つ目は「頭の角」です。角の本来の役割は、外敵から身を守るため、また、岩や穴に隠れた際には角を利用して体を固定する役割を持っています。カワハギを取り扱う上で釣り人が一番にケガを負いやすい部位です。
腹ビレも鋭いぞ!
二つ目にケガをしやすい場所はお腹の腹ビレ部分にあります。一つ目のトゲに比べて明らかに太いトゲで短く、腹びれの中に紛れているので分かりにくいところ。油断すると怪我をしてしまいます。トゲが太いだけに注意して扱う必要があります。
カワハギのオスとメスの見分け方
カワハギのオスとメスの見分け方は簡単。背中のヒレにある第2軟条に着目します。ヒョロヒョロとした紐のような物が伸びていると雄(オス)のカワハギ。伸びていない個体は雌(メス)のカワハギとなります。簡単に見分けることができますよ。
カワハギに毒はある?
釣り魚の対象となるカワハギには毒はありません。しかし、後述にありますが、毒性を持ったカワハギ科の毒魚の存在も確認されています。また、カワハギはフグ目に属する魚だけあり、フグと姿が似ています。ほとんどのフグは「テトロドトキシン」や「パトリキシン」と呼ばれる猛毒を体内に含有しているので注意が必要です。
カワハギの肝、内臓に住む寄生虫
秋から冬に掛けて大きい個体が増えるカワハギ。カワハギの肝は海のフォアグラと呼ばれるほどに美味しい食べ物として多くの方に食されています。しかしながら、カワハギの肝には寄生虫の存在も確認されています。注意すべきは「アニサキス」と呼ばれる寄生虫です。このアニサキスは内臓に住み、宿主の死と共に内臓から筋肉へと這い出てきます。
アニサキスによる影響
多くの場合の人間に与える影響は腹痛で済みますが胃に入ったアニサキスが胃液の酸を逃れようと暴れ回り、胃の粘膜、内臓を損傷させる影響をもたらします。ただし、これは生きて胃に辿り着いた場合。アニサキスはプラナリアのように生存力は高くなく、体に傷を負わせるだけで死滅してしまいます。よく噛むことを心掛けるようにしましょう。
アニサキスの対処法
カワハギに似た毒素を含む魚達
前項目で解説した通り、カワハギに似た毒魚の存在には注意が必要です。万が一、そのまま食べてしまうと身体に重大な影響をもたらしてしまうことも。しかし、毒魚の姿と特徴を抑えておけば心配はありません。そこで、カワハギに似た毒魚の姿を画像を踏まえてご紹介していきましょう。
キタマクラ
- テトロドトキシン
キタマクラはカワハギと同じ、フグ目に属する魚。体内には「テトロドトキシン」と呼ばれる猛毒を含有しています。食べてしまうと、その毒性により、命を落としてしまいます。テトロドトキシンによる被害者は毎年いらっしゃいます。注意が必要です。
- ヌメヌメしてる
- 青みがかる部位がある
- 体高が低い
モンガラカワハギ
- シガテラ毒
モンガラカワハギもキケンな魚です。シマウマのような鮮やかな体に含まれる毒性は「シガテラ毒」です。致死性は低いものの、1日以内に下痢・吐き気・嘔吐・腹痛等の消化器官の不良が起きます。神経にも影響を与える毒でピリピリとした痛みを発します。
- 白と黒の体色
- 体上部に斑点模様
ソウシハギ
- パトリキシン
ソウシハギは青酸カリの1000倍以上の毒性「パトリキシン」を持った魚。多くのソウシハギは消化器系の内臓、また、肝臓に毒を含みます。実際に市場で売られたこともあるだけに注意が必要です。必ず、即リリースするようにしましょう。
- 青みがかる部位がある
- 青い斑点
カワハギ釣りを「安全に」楽しむために
カワハギ釣りを安全に楽しむために必要なこと。それは、もっとカワハギを知ること。カワハギの体のヌメリ、それぞれの部位の大きさ、斑点模様、様々な要素を毒魚のリストと比べ合わせることで、より安全にカワハギ釣りを楽しむことができます。もしも、カワハギと少し違うな…。と、感じた時にはリストと見比べて見てはいかがでしょうか。