スズメダイの生態と習性 | 釣れた時の対処方法と似た魚の見分け方

釣りをすると目的とは違った「外道」と呼ばれる魚達が釣れることがあります。外道の中には日本の食文化に馴染む美味しい魚もいますが、一部の外道は食べることすらままならぬ、危険のレッテルが貼られた魚達も存在します。

例えば、外道として有名なフグ。フグ科の魚は強い毒性を体内に含むため、釣り人からは「死の遣い」とも呼ばれています。しかし、フグに対する一般知識(危険性を含む)が普及してきた現在では、フグを釣って持ち帰ろうとする方は、まず、いないと言っていいでしょう。

実際、危険なのは一般的に知られていない魚達。毒性を含む魚達は当たり前のこと、毒性を含まない魚でも危険が伴うということを知っておく必要があるでしょう。その危険性を伴う魚の一つが「スズメダイ」と呼ばれるお魚です。

今回、紹介するのは、スズメダイの生態や習性、釣った時の対処方法から危険性に至るまでを順次、解説していきます。もしも、スズメダイが釣れてしまった時には危険性を予め熟知した上で取り扱っていただければと思います。

そこで、レポ部では・・・
スズメダイの生態と習性 | 釣れた時の対処方法と似た魚の見分け方
をレポートします。

スズメダイとは?

スズメダイはスズメダイ科のお魚。鯛(タイ)のような体付きをしているものの、雀(スズメ)のような小さな姿をしていることから「スズメダイ」と呼ばれています。真鯛や黒鯛といったタイ科の幼き頃のサイズによく似ています。また、別の説では雀(スズメ)に似た目からスズメダイという呼び名が付いたとも言われています。

スズメダイが嫌われる理由

スズメダイが嫌われる理由の大きな原因は群れを成して行動する魚であることが挙げられます。オキアミを利用する釣り方ではスズメダイだけにアミエビを取られてしまい、効率の悪い釣り方を強いられます。また、夏に産卵を行うために接岸したスズメダイは季節、時期共に釣りの最盛期真っ只中。スズメダイの群れを成して行動する習性と産卵時期こそがスズメダイが嫌われている理由です。

スズメダイの生態と習性

スズメダイが釣れる時期
  • 6月
  • 7月
  • 8月
  • 9月
  • 10月

スズメダイは日本沿岸の温かい海域に住んでいます。数十メートルの浅瀬に生息し、様々な群れを形成して行動します。この群れは小さな群れから大きな群れと様々。岩礁帯はもちろんのこと、湾内への侵入、堤防のキワに沿って遊泳する姿を水面から確認することができます。スズメダイは肉食に近い雑食性。動物プランクトンや甲殻類を始め、餌が無いときには藻類も積極的に摂取します。

スズメダイの産卵期

スズメダイの繁殖期は夏。春先に接岸し、夏に産卵を行います。元々、水深30(m)ほどの浅瀬に生息するスズメダイは接岸せずに岩礁帯のその場の環境で産卵することもあります。産卵時には住処の近くで複数の卵を植え付け、その卵の管理はオスが行います。

スズメダイの群れ

赤い囲みがスズメダイの群れです。ロケットカゴにアミエビを詰めて仕掛けを投入。水面上から撮影しました。ロケットカゴから放出されたアミエビに向かって群れが移動しています。スズメダイは釣り師にとっては厄介な魚で餌取りの一つとして数えられています。

スズメダイの特徴

スズメダイの大きな特徴は一つ一つのウロコが大きいこと。ベラ亜目スズメダイ科に分類されるスズメダイはベラの多くが持つ硬質なウロコを持っています。タイ科のようなキメ細かさは無く、ゴツゴツとした硬い鱗を持った珍しいお魚です。

スズメダイに似た魚

スズメダイは小さい鯛と例えられるだけに正面から見るとタイ科によく似る楕円形の体をしています。ただ、スズメダイ科に分類されるスズメダイは黒に近い茶色をしており、その色とサイズによって多くの場合は見分けることができます。しかし、元々、魚の体の色は環境の変化や餌の種類、成長の変化によって個体の一つ一つが違う色をしています。スズメダイの多くは黒色に近い色をしていますが茶色、薄みがかった緑色の色をしたスズメダイも存在するので見分けが付かないこともあるでしょう。そこで、スズメダイと間違われることの多い魚達をピックアップしました。順次、ご紹介していきましょう。

ヘダイ

釣りでは外道として扱われがちなヘダイ。少し離れた沖合で群れを作って行動するヘダイは船上はもちろん、水深のある堤防や防波堤から釣れる釣り人からするとお馴染みの魚です。沖合で釣れるヘダイは透き通った色をしているものの、河口付近に近い沿岸部の栄養が豊富にある水域では濃い色をしたヘダイが釣れることも。

真鯛・チャリコ

スズメダイと似た魚として知られるのが真鯛の稚魚です。通称「チャリコ」として親しまれている真鯛の稚魚は形が整ったピンク色の美しい個体もいれば上の画像のように少し濁った色をした個体も存在するので注意が必要です。

キチヌ

スズメダイだけでなく、黒鯛やヘダイと似たキチヌ。キチヌの最大の特徴は尾鰭、尻鰭、腹鰭が黄色いこと。スズメダイのような小さい個体も存在しますが、多くの場合、キチヌの各鰭の色に注目して頂ければ判断することができます。

黒鯛・チヌ

スズメダイと似た魚の候補としてよく挙げられる黒鯛。一見、スズメダイと黒鯛にはハッキリとした違いが見られるように思います。しかし、スズメダイの体の色は濃い黒色から茶色、薄い緑色と生活環境によって様々な色へと変化します。黒鯛は黒と銀に近い色をしているのでスズメダイと似た色を持つ個体も存在します。

メジナ

スズメダイと似た魚の候補としてメジナが挙げられます。体色、目色のそれぞれがスズメダイと似るメジナ。メジナは小さい個体も多いだけに見分けにくい存在です。スズメダイは成体になると一つ一つの鱗(ウロコ)が大きくザラザラとした肌触り。メジナは一つ一つの鱗が密に設置されているのでスベスベとした感触です。大きな見分け方としては胴長がメジナ、胴短がスズメダイと覚えておくと良いでしょう。

スズメダイの怖い話

スズメダイに関する怖い話も残されています。名前「おせん」と呼ばれる方がスズメダイの太い骨に喉を詰まらせて亡くなったという話も語り継がれています。この話は警告という形で多くの人々に知られ、スズメダイの怖さと恐怖が今も尚、残り続けています。

スズメダイの危険性

スズメダイの危険性は骨そのものにあります。前項目でも解説した通り、小さな個体には似合わない骨をしています。一本一本が太いので誤って飲み込んでしまうと食道や消化器官が傷を負ってしまう可能性があります。また、小骨や骨が太いスズメダイには白身が殆どありません。食べる側からすると非常に食べ辛いお魚です。ある程度のリスクも背負ってしまうことになるので食道の狭いお子様には与えないようにしましょう。

背鰭・胸鰭・尾鰭に注意!

スズメダイはサイズに似合わない骨の太さを兼ね揃えています。各鰭を支える一つ一つの鰭骨(キコツ)も太いので丈夫です。各鰭の先端は刃物のように鋭利なので取り扱いには注意が必要です。直接触らないように道具を介して取り扱うようにしましょう。

第一精工 ワニグリップミニMC+ホルスター ブラック

怪我防止
ワニグリップ

メーカー:第一精工
仕様:ホルスター付き
種類:ホールドツール

スズメダイは小さいながらも硬質で鋭い骨をしています。油断して触れてしまうと痛い目を見ることになるでしょう。また、スズメダイは群れで行動するので釣れる時にはスズメダイが大量に釣れます。速やかに海へと帰してあげるためにもホールドするツールは必ず持って行くことをおすすめします。

スズメダイを避けて釣りを楽しもう!

スズメダイは釣り人からすると厄介なお魚です。スズメダイが遊泳するエリアに餌を落とし込むと数秒で餌が無くなってしまいます。厄介なことはスズメダイは強い嗅覚を持っていること。例え、少し沖へと仕掛けを投入してもスズメダイの嗅覚によって餌の位置を特定、嗅ぎ分けられてしまいます。ただ、スズメダイは群れで遊泳しているので水面から確認することができます。仕掛けを組む前にスズメダイを確認することができれば釣り場そのものを変更し、スズメダイが居ないエリアを見つけ出すことで、スズメダイを避けつつ、効率の良い釣りを楽しむことができるでしょう。

スポンサードリンク