財務省貿易統計によると、おでん、さつま揚げ、ダンゴに利用されるスケトウダラの輸入価格が高騰していることが分かりました。スケトウダラは日本の多くの加工食品に利用されています。スケトウダラが高くなると身近な食品が高騰化してしまうリスクを抱えてしまいます。
スケトウダラの輸入価格が高くなることを現実として踏まえ、それに対応できる方法を考えてみました。その第一候補はスケトウダラに変わる魚を見つけ出すこと。今回、紹介するのは、すり身として活用できる釣り魚の数々。実は、日本近海でも、おでん、さつま揚げなどのすり身として利用できる魚達が多く潜んでいます。
スケトウダラの輸入価格が上がり、個々の加工食品の価格が高騰する現実を踏まえた上で、アウトドア「釣り」で釣った魚達をすり身として利用し、釣り人自らがすり身を作り、それぞれの料理に活用してみてはいかがでしょうか。早速、紹介していきましょう。
もくじ
スケトウダラとは?
魚のすり身を利用した加工食品の多くはスケトウダラが利用されています。スケトウダラは広い範囲に生息するタラ科の魚類で日本海の北部、太平洋沿岸などの北太平洋に広く生息しています。スケトウダラは余すところがありません。その身は個々のすり身の河口品に。また、産卵期を迎えたスケトウダラの卵はタラコとして召し上がられてます。
スケトウダラが使われる加工食材
- はんぺん
- 辛子明太子
- カマボコ
- カニカマ
- 魚肉ソーセージ
- etc
スケトウダラの身は主にすり身として利用されます。おでんのハンペンやチクワ、さつま揚げやダンゴ、庶民の味方として親しみのあるカニカマ。多くの加工食品にスケトウダラのすり身は活用されています。また、スケトウダラの卵はタラコとしても利用されます。
スケトウダラは鮮度の落ち具合が早い!
スケトウダラは水っぽいお魚で鮮度の落ちが早いお魚。漁獲されたスケトウダラは新鮮なまま工場ですり身へと加工されます。そして、一度、冷凍されて工場へと輸送されてから、それぞれの味付けを行います。新鮮なまま加工することが鮮度が落ちを防ぐことに。また、ここから各型へと流し込み、検品、梱包を終え、各店へと届けられています。
すり身として利用できる魚達10選
食材として利用できる魚達の全てがすり身として利用することができます。しかし、スケトウダラのような限定された食材がすり身として利用されるのは食の歴史が語るようにすり身に適した何らかの理由が存在するからだと考えています。未知なる可能性を探るのも良いですが、歴史を遡り、すり身として利用されてきた食材を利用することができれば、失敗の無い味を出すことができるでしょう。
アジ
庶民的な魚として知られるアジ。アジのすり身を天ぷらにしたり、ツミレ汁のダンゴとして利用したりと様々な活用方法で利用されています。また、アジのすり身を利用したハンバーグは子供に大人気。数が釣れるアジは後々余ってしまうことも。そんな時は、余ったアジを一度に処理できるすり身を利用して様々な料理を作ってみましょう。
エソ
釣りの外道として知られるエソ。釣り人には釣り糸が切られる厄介な存在として認識されています。エソは外道のためにそのまま放流されることがほとんど。また、小骨が多く、調理に向いていない気難しい一面を持っています。しかし、本来、エソは高級練り物の原料として利用されています。カマボコやさつま揚げを始めとした数多くの練り物に利用されています。小骨が多い難しい魚ではあるものの、ミキサーを利用してしまえば、それほど調理面で気になることはありません。美味しく頂けることでしょう。
イワシ
ツミレ汁のダンゴの原料といえばイワシ。イワシのツミレ汁は誰もが食べた事のある美味しい料理です。イワシは大量の群れを作って遊泳する回遊魚の一種。つまり、釣れる時には大量に釣ることができる食物連鎖の重要な位置にいる魚です。複数の針を用いたサビキ釣りなどの釣り方で数匹を一度に釣る釣り方で楽しまれているイワシ。余ったイワシはダンゴの原料として利用することができるので余すことなく堪能することができます。
アマダイ
九州地方ではアマダイをすり身として活用されています。長崎の方はアマダイのすり身を練り物の原料として好んで利用します。長崎っ子といえばアマダイ。わたくしも少し頂いたことがありますが淡白な味そのものでふんわりと甘みある味。あっさりとしたアマダイの練り物はおすすめしたい一品です。
トビウオ
知る人ぞ知る練り物の原料としてはトビウオ。新潟県の佐渡では主にトビウオを練り物の原料として利用します。トビウオはダシがよく出る魚でダンゴ汁ではトビウオの出汁だけでそのまま頂くことができるほど。万能調味料である「あごだし」の原料はトビウオ。トビウオからは素晴らしい出汁が出ることが分かります。
サメ(ヨシキリザメ・アオザメ・ホシザメ等)
魚類の中では大きいサイズの部類に入るサメ。実はサメも練り物の原料として利用されています。ハンペンや竹輪の原料として、また、カマボコにも利用されています。大きい型が多いサメは一匹で十分なすり身を確保できるほか、滑らかで舌触りの良さが魅力的。ハンペンの元々の原料として利用されていたのはサメのお肉。練り物の原料としてサメのお肉は重要な原料として知られています。
イシモチ
シログチやグチとも呼ばれるイシモチ。イシモチは釣りのゲストとして時々釣れるお魚です。イシモチはすり身として活用でき、その独特な粘りを利用すれば簡単にダンゴを作ることができます。適度な粘りがあるのでポロポロと崩れることがありません。練り物の原料としては最高で料理が初心者の方でも安心して作ることができるでしょう。
タチウオ
タチウオもすり身として利用されます。太いタチウオは使い勝手が良い一方、細いタチウオに関しては調理法が限られてしまいます。こんな細いタチウオどうすればいいの?とお思いの方はタチウオのすり身を利用すると余すことなく頂くことができます。
ハモ
練り物といえばハモ。ハモもすり身として利用されるお魚です。ハモのすり身を利用したハンバーグを始め、定番のツミレ汁やダンゴ汁。関西では練り物の原料の代表にハモは君臨しているほど。ハモを使った練り物の天ぷらはハモ天、また、ハンバーグはハモバーグとして関西では美味しく食べられています。
ホッケ
北海道ではホッケのすり身を原料とした練り物が好んで食べられています。ホッケのすり身を利用したダンゴ汁やすり身をそのまま天ぷらで揚げた揚げ物。幅広い調理法で召し上がられています。ホッケは癖が無いのであっさりと食べることができるほか、粘りが強いので丸いダンゴへと簡単に仕上げることができます。ポロポロと型を崩すことなく、見た目も良く料理を完成させることができます。
数分調理!?簡単にすり身にする方法とは?
小鉢に入れてスリスリ…。手間をかけるほど美味しくなる、と考えている方でも魚を磨り潰して作るのは手間と時間が掛かってしまいます。面倒だ!と感じる方はフードプロセッサーを利用して簡単にすり身を作ってしまいましょう。
フードプロセッサー
すり身にチャレンジしてみよう!
スケトウダラの輸入価格が高騰する今、消費者である私達はすり身を利用した加工食品が買い辛い状況に陥っています。魚のすり身が高価で手が出し辛いと感じた方は釣りで釣れた魚達をすり身として代用してみてはいかがでしょうか。