沖漬け、それは、新鮮なイカでしか作ることができない幻のレシピである。
作り方は少し変わっており、沖漬けのダシが入った密封性に優れたタッパに生きたままのイカを投入し、タッパに入ったダシをイカが吸うことで「沖漬け」は完成する。
エギング、ヤエン、泳がせ釣り、様々な釣法で釣り上げることができるイカ。
もしも、イカが釣れた場合には、釣り人にしか作ることができない「沖漬け」を作り、イカ本来が持つ美味しさと、自家製のダシを絡めて食してみてはいかがだろうか。
もくじ
用意するもの
沖漬けを作る上で必要となるものは以下のとおりだ。
- イカ(当たり前)
- タッパ(イカが入るサイズ)
- 自家製のダシ(後述)
沖漬けを作る手順についても解説しておこう。
- イカの墨(スミ)を完全に吐かせる(墨を吐いたイカ)
- タッパの中に「墨を吐いたイカ」を入れる(イカが入ったタッパ)
- 「イカが入ったタッパ」の中に「自家製のダシ」を入れる
- 冷蔵庫で12時間ほど放置する(沖漬けが完成)
難しいのはイカを釣り上げること。



このように、沖漬けを作る目的でイカを釣りに行ったのにもかかわらず、イカを釣ることができなかったアングラーの悲しい意見が後を絶たない。
沖漬けを作りたければ、イカが釣れている場所を、前もってリサーチし、計画的に釣行することが大切である。
タッパにイカを投入する際には十分に気を付けてから投入すること。水の代わりにダシを吸い取ることになるイカは、体内に異物が混入したと勘違いし、タッパの中で暴れまわる。解決策としては、イカのゲソと反対の部位、すなわち、口とは逆の尾っぽ部位近くに存在するタッパの2隅の1角を小さく開き、そこから、ペットボトルに入れた自家製のダシを投入する。イカは口からしか液を吐かない。たとえ、吸い込んだダシを吐いたとしても、後ろ部分の1角を開けてダシを入れたならば、ダシが飛び散る心配はない。
自家製のダシを作成!
自家製のダシはペットボトルの中に入れておこう。
そうすることにより、タッパ(入れ物)の1隅から溢さずにダシを投入することができる。
投入目安量(ダシ)としては、イカが完全にダシに浸かるまで入れることが好ましい。
少量を入れただけでは全体にダシが広がらない、すなわち、中途半端に漬かった沖漬けとなってしまうことから、完全に漬かった沖漬けを食べたい方は、ペットボトルのサイズは余裕を持って選択して欲しい。
簡単に作るなら「めんつゆ」で勝負!
市販のメンツユを使えば誰でも簡単に沖漬けを作ることが可能。
薄ければ「醤油」、甘党ならば「砂糖」をメンツユと調合することにより、ダシにアレンジ性を加えることができる。
- 最初からダシを作るのが面倒くさい
- 時間を掛けたくない
このような方にオススメしたい作り方である。
This is Mentuyu
本格的に作るなら「醤油」で勝負!
メンツユを使ったダシの作り方は簡単であり、手間を掛けたくない方に向いている。
醤油をベースにした本格的な沖漬けのダシを作りたい方は、少々面倒くさいが、手間を掛けた本格的なダシ作りに挑戦してみてはいかがだろうか。
本格的なダシ作りに必要な材料は以下のとおりだ。
- 醤油
- みりん
- 酒
- ダシ昆布
本格的な沖漬けのダシの作り方を解説しておこう。
- 小鍋に「醤油」「みりん」「酒」を投入する(2:2:1)
- 沸騰したら止める
- ダシ昆布を入れる
- ラップをかけて冷蔵庫に投入する
- 24時間ほど放置する
自家製のダシが完成すれば、後はペットボトルに投入し、現地に持ち運ぶだけ。
時間は掛かってしまうものの、本格的な沖漬けに仕上げることができ、メンツユで作ったときと比べ、コクが深い味覚を味わうことができる。
This is Soy sauce
寄生虫「アニサキス」は大丈夫なの?
沖漬けと言っても「生食」には変わりない。
当然、アニサキス(寄生虫)のリスクも少なからず出てくる。
アニサキスを食してしまうと「みぞおちの激しい痛み」「悪心」「嘔吐」を引き起こす他、症状が悪化すると「激しい下腹部痛」「腹膜炎症状」が出てしまうことがある。
厚生労働省が公表した対処方法としては、
- 加熱(60℃では1分、70℃以上で瞬時に死滅
- 冷凍(-20℃で24時間以上冷凍すると感染性が失われる)
- 目視(アニサキス幼虫を除去)
厚生労働省が発表したアニサキスの危険性については以下のリンクを参考にして欲しい。
なお、一般的な料理で使う程度の食酢での処理、塩漬け、醤油やわさびを付けても、アニサキス幼虫は死滅しないとのこと。
まとめ
いかがだろうか。
今回、紹介したのは、新鮮なイカで作る沖漬けの作り方である。
新鮮なイカを釣り上げることができる釣り師ならではの贅沢な調理法が「沖漬け」だ。
是非、イカを釣り上げる際には、「自家製のタレ」と「タッパ」を用意し、幻のレシピと謳われる「イカの沖漬け」を作ってみて欲しい。