落とし込みとは、防波堤などといった波止(ハト)から仕掛けを垂らすように落とし込み、貝類・カニ類・虫類を食べている魚類を専門にターゲットとする釣法である。
メインのターゲットとなるのは、黒鯛(チヌ)と言われているが、虫類・貝類を餌(エサ)に使っていることから、カワハギなどの美味しい魚類が釣れてしまうことが多々ある。
ターゲットとなる季節は、主にイガイ(貝)が繁殖する時期、すなわち、6月~11月がシーズンと言われており、主に防波堤の際(キワ)に沿ったランガン主体の釣り方となる。
クロダイ(チヌ)
クロダイ(チヌ)は悪食として有名である。
人間が捨てたものを食すことを視野に入れると雑食魚であることは確かだ。
落とし込みで本格的なターゲットとなる魚でありながら、大きい個体になると最大70cmほどまでに成長し、力強いファイトを楽しむことができるターゲットでもある。
貝類・カニ類・虫類を好んで食し、落とし込み自体の餌(エサ)がクロダイ(チヌ)をターゲットとしていることから、クロダイ(チヌ)は本格的な落とし込みのターゲットとなっている。
シーバス(スズキ)
河口の支配者と謡われるシーバス(スズキ)も落とし込みでターゲットとなる魚類である。
群れで行動するシーバスに遭遇すると入れ食い状態になることも。
虫類でヒットすることが多い、すなわち、シーバス(スズキ)を専門的にターゲットとした場合の落とし込みの餌(エサ)では、1位に虫類、2位に貝類の2つが挙がっている。
シーバス(スズキ)の生息地域はクロダイ(チヌ)と似ていることから、河口付近で落とし込みを行う場合は、シーバス、クロダイの両方をターゲットとすることができる。
イシダイ(シマダイ)
落とし込みで滅多に見ることができない魚類、すなわち、幻の高級魚、防波堤の王者と呼ばれているだけあって、出会うことすら珍しい海水魚である。
限られた環境、時期、ポイントでしか釣ることのできない幻魚であるイシダイ(シマダイ)をターゲットとしたアングラーも多い。
イシダイ(シマダイ)の餌(エサ)は、カニ類・貝類・虫類と意外と幅広い。
落とし込みといった釣法を用いれば、クロダイ(チヌ)をターゲットとしつつ、イシダイ(シマダイ)を釣り上げることができるかもしれない。
アイゴ
あらゆる釣法の外道として知られている海水魚が「アイゴ」。
落とし込みの外道としても知られ、背ビレ・尻ビレに鋭い棘(トゲ)があると同時に、これらに毒性(タンパク毒)を含んでいる。
死にいたる様な毒性ではないとされているが、刺されてしまうと強烈な痛みに襲われ、1日~3日間、苦しむことになる。
落とし込みでターゲットとなる魚は、防波堤の際(キワ)についているイガイ(貝)といった貝類を砕き捕食する強靭な顎を持っている個体が多い、すなわち、これらの危険な魚を取り扱うためにはグローブ(手袋)は必要不可欠となってくる。
アイゴなどの毒性を持った危険な海水魚には、グローブ(手袋)を着用し、危険性を意識した釣りを行うことを頭に入れておくことが大切だ。
グレ(メジナ)
フカセ釣りで有名なグレ(メジナ)も落とし込みのターゲットとして知られている。
クロダイ(チヌ)より、圧倒的にグレ(メジナ)は筋肉が多いと同時にパワーが強く、アングラーからは「海中の力士」と呼ばれるほどにパワーファイトを楽しむことができる。
クロダイ(チヌ)専用竿とグレ(メジナ)専用竿とは全くの違いがあるように、グレ(メジナ)の方がパワーファイト寄りのタックルとなる。
落とし込みでは、必ず、防波堤でも使用できるロングサイズのタモ(網)を用意し、竿(ロッド)の力だけで、無理に上げないようにすることが大切である。
カワハギ
落とし込みの真骨頂と謳われているのが海の一角「カワハギ」だ。
特に、ホタテなどの貝類を餌(エサ)とした場合にフッキングすることが多く、おちょぼ口で針(フック)を回避しながら捕食する。
落とし込みで釣ることのできるカワハギは大きい個体が多い、すなわち、それなりの引きを楽しむことができ、大物になると25cmを越す個体を釣り上げることができる。
カワハギの場合は、針(フック)自体に気を使う必要があり、カワハギを専門にターゲットとするならば、カワハギ専用の「ハゲ針」を使用することをオススメしたい。
まとめ
いかがだろうか。
落とし込みでターゲットとなる魚は、防波堤の際(キワ)についているイガイ(貝)といった貝類を砕き捕食するために強靭な顎を持っている。
取り扱うときには、注意を払いつつ、プライヤーなどを用いて対処することが大切だ。
大物が釣れる可能性、すなわち、ロマンを求めた釣り師(アングラー)にはピッタリな釣法だ。
是非、落とし込みで大物をターゲットとしつつ、釣り本来の楽しさ(大物と戦う心)を追求してみてはいかがだろうか。