岩場・テトラポットなどの障害物の隙間に住処を作る根魚やお魚達。穴釣りは穴へと仕掛けを落とし込み、根魚を始めとしたお魚達を釣り上げる方法です。根魚は水温変化に左右されにくいお魚であることをご存知でしょうか。つまり、穴釣りに関しては年中楽しむことができ、数多くの釣り人から人気を得ている釣り方でもあります。
このページでは穴釣りの基本知識から応用知識までをまとめています。穴釣りに興味をお持ちの方はこの記事を参考にして穴釣りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
もくじ
穴釣りとは?
- アイナメ
- ハゼ
- ベラ
- メバル
- ソイ
- etc
穴釣りとは、テトラポットや岩場、磯場にある穴へとエサを落とし込む釣り方です。テトラポットを始め、岩や石には必ず隙間が存在し、その隙間に住処を作る魚達を狙う釣法です。障害物の隙間や穴は水中生物の宝庫。落とし込むだけで簡単に釣れてしまいますよ。
小さいサイズは帰してあげよう!
穴釣りの対象魚となる根魚は成長速度が遅いお魚。アジの成長速度は一年で25(cm)ほど。しかし、根魚であるカサゴやメバルの成長速度は一年で70(mm)と言われています。つまり、ある程度の大きさとなるまでに、かなりの時間が掛かってしまうということ。未来を担う根魚を残すために。小さいサイズの根魚が釣れた場合は海へと帰してあげましょう。
- メバル(~15cm)
- カサゴ(~15cm)
- アイナメ(~18cm)
釣れる場所
穴釣りに適したポイントは海底が見えない深い穴。浅い穴だと光が差し込んだときに海底の砂が真っ先に見えるのですぐに判断ができます。岩場・テトラポット・磯場・防波堤の溝・ストラクチャーの隙間などの深い隙間や穴が良いポイントです。小さな穴でも大きい穴でも、気にせずにエサを落とし込むことが穴釣りで釣果を得る秘訣です。
- 海底が見えない穴(真っ暗な穴)
- 潮の出入りのある穴
- 障害物の隙間
- サンゴや海藻の影
穴釣りでの簡単な誘い方
海底が見えない穴はエサを落とし込み、ラインを張った状態でスルスルとエサを落としていきます。ラインが緩むと海底に着底した合図。海底より少し上のポイントで待機しましょう。10秒ほどするとエサの臭いを嗅いだ根魚が食べに来ます。元々、障害物の隙間や穴は水中生物が潮の流れに乗って集まってくるポイントでもあります。つまり、このような隙間や穴は根魚の絶好の住処。目の前にエサを落とすだけで簡単に食べに来ますよ。
釣れる時期、時間
冒頭でも解説した通りに穴釣りは年中楽しむことができる釣法です。ただ、穴釣りは年中楽しめる釣り方だけに競争が激しく、釣れる時期、時間を考える前に、そのポイントに根魚はいるのか、いないのかを考えなければいけません。例えば、先行者が先にポイント[1]で穴釣りをしてお魚を釣っていた場合にはポイント[1]の穴には根魚は存在しません。頻繁に人が出入りするポイントでの穴釣りは不向き。人がいないポイントを探ることこそが穴釣りでより良い釣果を得られる秘訣だと言えるでしょう。
穴釣りに適した時間帯
穴釣りに適した時間帯は朝マズメと夕マズメ。この時間帯はお魚のゴールデンタイムと呼ばれており、エサを捕獲するために魚達の活性が上昇します。住処である穴からの出入りが激しくなる時間帯でもあるので効率良く穴釣りを行いたい方はこの時間帯に釣りを行うことをおすすめします。
- 朝マズメ
- 夕マズメ
- 潮が満ちているとき
竿(ロッド)の選び方
穴釣りにおすすめする竿は操作性の良い竿。つまり、短い竿をおすすめします。長い竿を使用してしまうと近くにある穴に仕掛けを落とすことが困難に。穴釣りでは、まず、穴の存在と位置を確認しなければいけません。何より、穴釣りでは奥の穴に狙って仕掛けを落とすことは難しいので、操作性の利く短い竿を利用しましょう。
穴釣りでの主なターゲットは根魚。根魚は違和感を察知すると障害物に隠れてしまいます。隠れてしまうと根魚は左右のエラを使ってブレーキを掛けて抵抗し、釣り上げることが困難に。隠れられてしまう前に素早く釣りましょう。
- 短い竿(110~160cmほど)
- おもりの10号を投げれるモノ(錘負荷~10号)
- 粘りがあるモノ
穴釣りにおすすめする竿
リールの選び方
前項目で解説した通り、根魚は違和感を感じてしまうと住処へと隠れてしまいます。つまり、隠れてしまったお魚を抜き上げるためのリールパワーが重要になってきます。注目するべきは穴から陸へとあげるスピード。海中でのやり取りを少なくすることが穴釣りで釣果を出す一つの秘訣だと言うことができるでしょう。
- 本体の軽さ(小型リールがおすすめ)
- 丈夫で頑丈なリール
- 巻き上げ速度の早いリール(スプールの大きいモノ)
- 巻き取りのパワーが強い(ベイトリール)
穴釣りにおすすめするリール
糸(ライン)の選び方
- 3.0号
- etc
穴釣りの道糸にはフロロカーボンラインを利用します。フロロカーボンラインはナイロンラインやPEラインと比べて強度が強いライン。穴釣りではフジツボなどの突起物の多い障害物の隙間や穴にエサを落とすことになるのでラインの強度は必要不可欠。更には、フロロカーボンラインは水に比べて重い性質を持っています。すなわち、沈みが早く、潮の流れを受けにくいライン。穴釣りをする上でメリットが多いラインと言えるでしょう。
エサ、ワームの選び方
- アオイソメ
- オキアミ
- サバの切り身
- サンマの切り身
- ワーム
- etc
穴釣りではゴカイやアオイソメなどの虫類を基本のエサとします。オキアミはスペア。虫類で食い付きが悪いときにはオキアミやコーンなどの他のエサを利用します。穴釣りで確実に釣果を得るのであれば虫類。ただし、穴釣りではワームを利用しても釣果を得ることができます。そこで、穴釣りでおすすめするワームを幾つか紹介していきましょう。
ベビーサーディン
アジングビーム
ダイソーワーム
釣り具にかけるコストをできるだけ抑えたい方はダイソーに置かれているメバル用のワームがおすすめです。10個入りで100円で置かれているのでコスパは言うことなし。ピンテールワームなので、穴釣りだけでなく、アジングやメバリングでも活躍しますよ。
仕掛けの選び方
穴釣りにおすすめする仕掛けは穴釣り用に開発された単一針。ブラクリ仕掛けをおすすめします。ブラクリ仕掛けはおもりと針が一体化した釣具です。このブラクリにエサやワームを付けて障害物の隙間や穴へと落とし込むだけで穴釣りを楽しめます。始めから針とおもりが一体化しているので仕掛けが楽ちん。道糸の先にブラクリを装着するだけとシンプルに楽しむことができます。おすすめのブラクリ仕掛けを紹介していきましょう。
ブラクリ
あいなめブラクリ
アクション
穴釣りでは派手なアクションは必要ありません。障害物の隙間や穴に仕掛けを落とし込んで海底へと仕掛けを届かせます。仕掛けを届かせることができれば少しリールを巻いて海底にタッチするかしないかのところまで仕掛けを上げてみましょう。後はエサの匂いに釣られたお魚が食べに来るのを待つだけとなります。ただ、食いが悪いときにはアクションを加えて活きの良いエサを演じてみましょう。そのアクションについて注目します。
生きたエサを使う場合
生きたエサを利用する場合で食いが悪いときにアクションを加えると逆効果になる場合があります。過度なアクションは止めて向こうから接近するのを待ってみましょう。食いが悪いときには虫エサやオキアミであればハサミで少しだけカットしてエサ付けをしましょう。カットすることで体液が海中に広がり、匂いにつられたお魚が集まってきます。ただし、生きたエサであれば直ぐに弱まってしまうことを頭に入れておきましょう。
ワームを使う場合
普通のワームを使用する場合はアクションが必要になってきます。ワームの場合は生きたエサよりも食いが悪いことを覚悟して望みましょう。エサとワームの釣果の差を無くすためにもアクションと足を使ったポイント選びで補っていきます。
穴釣りの合わせ方
ブルブルと手元と竿先が震えたらアタリが来た合図。素早く竿を上げて合わせを入れましょう。アタリの余韻に浸っているとその根魚は根に潜られて出てこなくなるので注意が必要です。アタリがきたら素早くリールを巻いて水面に上げること。
穴釣りで釣れる危険なお魚達
穴釣りの主役は根魚です。ただし、穴釣りも釣りの一種。思わぬ危険なお魚と出会ってしまう場合も無いとは言えません。そこで、穴釣りの外道として有名な毒魚に注目します。以下の毒魚が釣れた場合は直接手で触れず、速やかに海へと帰してあげましょう。
ハオコゼ
ハオコゼは毒腺を含んだトサカが特徴的。毒の種類はタンパク毒。刺されてしまうとズキズキと患部が痛み、ひどい場合には患部全体が痺れてきます。カサゴに見た目が似ているのでカサゴと間違って触れてしまわないように気を付けましょう。
ゴンズイ
背ビレと腹ビレに毒腺を持つゴンズイ。テトラポットや岩場の影に隠れていることも多いので穴釣りでは注意が必要です。毒素はタンパク毒。ゴンズイのタンパク毒は強く、刺されてしまうと激痛と共に患部が腫れ上がり、患部全体に痺れが出てきます。
ウツボ
海のギャングとも呼ばれているのがウツボ。ウツボも穴釣りの外道の一種です。ウツボはテトラポットや岩場の影に住処を作る生き物。穴釣りでは珍しいゲストとしてやってきます。ウツボの鋭い歯による事件も多発しています。ご注意ください。
フグ
外道として有名なフグ。フグはテトロドトキシンと呼ばれる猛毒を持っています。食べることはできません。穴釣りで頻繁に掛かることも珍しくはないので、もしも、釣れてしまった場合は海へと帰してあげましょう。
ミノカサゴ
華やかな見た目が印象的なミノカサゴ。昼間は岩場などの影や障害物の隙間に住処を作り、生活しています。その華やかな背ビレや腹ビレ、尾ビレには毒腺を含んだトゲがあります。釣れてしまった際には取り扱いに注意が必要です。
まとめ
足元の穴や隙間に仕掛けを落として釣る穴釣り。良い条件が揃った穴は人気で先に釣られてしまうことも珍しくありません。ただ、釣果よりも大切なのはご自身の命。危険だと判断した場所には絶対に近寄らないようにしてください。必ず充実した装備を揃えて穴釣りにチャレンジしましょう。